Creating foundation for sandwiching metal core
in plastic sheet
プラスチック生地に金属の芯を
挟み込むための土台づくり
短冊状にカットされた生地に、金属の芯を張り合わせるため、芯の形に合った溝を掘る。プラスチックと金属芯がぴったりと一体化するよう位置を定める。
Installing metal core
on engraved hole and semi lamination
座彫り部分へ芯をのせ、仮押さえ
座彫りが施された面に溶剤を塗り、生地の表面が薄く溶けたところで芯をはめ込む。さらにその上にクリアの生地を重ね合わせ、クリップで仮留めする。
Metal engraving core inspired by American vintage
アメリカンヴィンテージのデザインから
掘り起こした彫金芯
彫金芯に施したデザインには、直線的な線とスマートな曲線を組み合わせ幾何学的なイメージを持たせた。プラスティックの艶感と金属のシャープな質感が相まって、上質なヴィンテージ感が高まる。
Setting temporarily
fastened plastic bar with core in dedicated mold
芯が入った仮留め状態の生地を
専用型に並べる
溶剤が浸透しているか、剥がれや浮きがないか、一本ずつ目視で確認し、必要に応じて溶剤を塗り足す。この後、熱処理をかける為の専用型に並べていく。
Inserting steel plate in between to prevent plastic bars
from sticking each other
生地同士の貼り付きを防ぐため
間に鋼を差し込む
並列した生地は熱処理をかけると生地同士が貼り付いてしまう為、生地と生地の隙間に鋼のプレートを差し込む。長年の経験と知識がそのひと手間を生み出す。
Heating plastic bar set
in dedicated mold, and cooling it
専用型に納まったテンプルの原型を
熱にかけ、その後冷却
熱処理と冷却を繰り返し、芯を生地の中に埋め込んでいく。熱をかけて芯が曲がらないようにプレスすることは最も職人技を必要とする工程である。生地は色や製造ロットによってコンディションが異なるため、職人が持つ感覚や勘を働かせ、状態に合わせて時間や温度、圧力などを調節する。
Taking plastic bar out of mold
型から外し中身を取り出す
型を外すための専用工具を使い、まずは蓋を外す。中身を取り出し、生地が浮き上がっていないか、接着の不良はないか状態をチェックする。
Checking by sight if there is not bubble melded
気泡が入り込んでいないか、
目視で確認
熱処理中に発生する気泡が抜けきれず生地の中に入り込んでいないか、表面に残っていないか、細かい部分まで一本ずつ丁寧に確認をしていく。
Removing steel plate
鋼のプレートを切り離す
生地と生地の間に挟んだ鋼のプレートを一枚ずつ切り離していく。切り離すための専用工具は職人自らが製作したものを使用している。
Forming temple shape by carving plastic bar
テンプルの形状に沿った形に加工
耳にかけやすい形状にするため、短冊状の生地をテンプルの形に機械で加工。生産性が求められる現在、この機械を扱うことのできる職人は数少ない。
Polishing temple to
make it shine, and finishing by caulking pins
to install hinge
荒磨きで艶を出し、
丁番をカシめて仕上げる
形状が整ったら、ガラとよばれる生地を磨く専用の大きな回転ドラムにかけて艶を出す。その後、丁番のカシメ加工を施し、仕上げていく。煌びやかな彫金加工の芯が映し出されたテンプルからは、美しく整った一本の眼鏡が作品として浮かび上がる。